JNCC マーシャル規定
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2015年4月22日 改訂
マーシャルポリシーと役務
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- この度は JNCC & WEX のBIKEマーシャルスタッフにご参加頂き、誠にありがとうございます。
- このマーシャル規定は役務とポリシーを具体的にし、事前に紹介させていただくことで大会当日の働きをスムースに効果的にしていただこうというものです。 よって大会前に必ず把握していただき、大会に臨んでいただけますようお願い致します。 細かい点もございますが、疑問点や不明な点がございましたら、お気軽にJNCCまでご連絡下さい。
- レースは皆様の働きにより秩序が保たれ運営出来る訳ですが出場数が多く競技指向が高いJNCCの場合、一般的なXCに比べ特記する下記注意事項がございます。
- またJNCCのマーシャル基本ポリシーは「コース上で走行ラインが1本になる場合が多々有るXCにおいて、出場ライダーの妨げになる事が生じるマーシャルの人員は適切数を重視し安易に増やさず、代わりに救急救命士やセクションキーパー(*従来のフラッグオフィシャルとは異なり、マーシャルと連携してセクションのレースコンデションを死守するオフィシャルスタッフ)を充実していく。」としています。(*競技指向が非常に高いUSA-GNCCではマーシャルは存在しません) また怪我人の救出や対処は別途用意する救急救命士と共に行い、救急救命士の指示の下 より高水準の救急救命を目指します。
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- (☆11分8秒からのマーシャルは総合トップを走る #02を走路妨害している形となっています)
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- 1)マーシャルミーティングは前日の夕方(季節により 17:00 or 18:00 から)に行われる事がベターですが、不可能な場合は大会当日5時45分から始めます。(WEXは6時45分)そしてこの「BIKEマーシャル規定」を把握していただいているという条件下で行います。
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- 2)全マーシャルに コース図・コーステープ・携帯カケヤ・イエローフラッグ・小型ハンドマイク・水500mlボトル・携帯ビデオカメラ等 からなる7つ道具をデイバックにまとめて背負ってもらいます。 マーシャルミーティングで手渡されたら、直ちにビデオカメラの動画と静止画の撮影方法を確認を行って下さい。(*トランシーバーの操作は簡単ですが全員で動作を確認します)
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- 3)2014年から導入した高性能デジタルトランシーバーは何人かの主要マーシャルが携帯する事とし、マーシャルミーティングから大会が終了するまで常に受信可能状態にして頂きます。
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- 4)マーシャルミーティング終了後、直ちにレースコースのコーステープやコースマーカーの把握と確認のために直近RACEコースを1周周回して下さい。 またその後、追加される FUN & COMPの追加部分(WEXでは90&120)とミーティングで確認した「怪我人運搬路」を把握しながら更に一周走って下さい。(*その際本部周辺は排気音が大きくならぬよう減速して下さい)
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- 5)JNCC & WEX ではクラス毎のスタートが行われますが、そのスタート数と同じ人員のマーシャルには、スタートグリッドへのライダー進入と整列の管理を兼務していただきます。
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- 6)各レーススタート時にはスタート管理を担当するマーシャルは(上記5)分かれてそのまま各クラスのスタートを担当し、バックマーシャルとして最後尾をフォローして下さい。また大会によりスタート時だけ本コースをスタートの為にコーステープで仕切ることがありますが(爺ガ岳など)、この場合 最終スタートを担当するマーシャルが速やかに本コースへのコーステープ切り替えを行って、それから担当クラスを追尾してください。
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- 7)基本的な考えとして、たとえ酷いスタックが発生してもその対応に4人以上のマーシャルは取組んではなりません。 スタップポイントは決して一カ所ではないので、冷静に他のスタックポイント発生の備えや本来の総合的な職務に就いて下さい。 また渋滞の対処では極力自身は行わないで、観客に「安全を確保しながらという条件でスタックスウィーパーを要請」して下さい。
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- 8)レースが再スタートになってしまう可能性が生じる1周目のコースカットを防ぐ為に、スタート担当以外のマーシャルは深刻なショートカットが想定される個所のアウトサイドにマーシャルは自身のバイクを目立つように置き、マーシャル本人はイエローフラッグを掲げ防いで下さい。(*その際イエローフラッグを振ってしまうと追い抜き禁止になってしまうので、掲げるだけで振ってはいけません)
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- 9)マーシャルがまとまって走ってはライダーの邪魔になるばかりか、反対にマーシャル不在の場所が生じてしまいます。 よって神経質になることはありませんが、極力等間隔で走行して下さい。
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- 10)爺ケ岳のガレクライムのような困難なセクションではマーシャルの走行が出場ライダーの邪魔になり、出場ライダーに迷惑をかける事が充分予想されます。 よってこのような難セクションの場合はその個所の走行をパスし、異なる手段で状況の把握をして下さい。
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- 11)JNCC & WEX において渋滞によるコースカットが想定される場合はレース前にコースカットを施す方針としていますが、それでもコースカットの必要が生じた場合の決定は競技委員長である星野正美の判断により行いますので、マーシャルはデジタルトランシーバーで迅速な状況報告をして下さい。
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- 12)見通しの効かないブラインドコーナーの奥や先の見えないジャンプの着地点で転倒車や怪我人が発生して救出する場合、後続の競技車による追突二次事故でマーシャルも危険に晒されます。 よって、このようなケースでは正確に充分にその危険度を認識し、自身の安全確保を絶対条件に適切な方法で救出活動を行わねばなりません。
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- 13)怪我人が発生した場合その救出と救急救命士への事故報告を最優先しますが、その際少しでも余裕があれば持参するビデオカメラで状況写真を撮って下さい(*動画と静止画の両方を)。余裕がない場合は、救出と救急救命士への事故報告後に状況写真をとって下さい。 また怪我人だけではなく今後のレース運営に有益となる場面に遭遇した場合、極力撮影していただけるようお願い致します。
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- 14)ペナルティとなる行為を見つけた場合、携帯ビデオカメラにその時間と場所を記録撮影し報告して下さい。(*口頭でビデオカメラにペナルティライダーの クラスとゼッケン、ペナルティ内容、ペナルティを犯した場所、時間 を記録して下さい) そして極力そのライダーが1周周回するのを待って、ペナルティを犯した場所で撮影して下さい。
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- 15)スタック車両のレースコース内を使用しての搬出許可時間は、第1レースのキッズGPはFUNGP終了まで待機してFUNGPと同様にし、 第2レースのFUNGPは最終周回がカウントされる条件である「チェッカーフラッグが振り続けられる時間が終了してからの15分間」とし(*FUNGPチェッカー時間:トップチェッカー後20分間)、それ以降のレースコース内搬出は、COMPGPにおける最終コースクリアマーシャルのゴール到着まで一切認めないことに致します。
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- 16)レース終了後に設けられた「レースコース内を使用しての搬出許可時間」をオーバーするスタッフ車両搬出の場合は、いかなる場合であっても躊躇せずに、次のレース進行に影響が無い「奥深いコース外」に移動させて下さい。
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- 17)マーシャルは一般社会における警察官の側面を持ち模範にならなくてはなりません。よって大会会場でのライディング時には、パドックであろうがいかなるバイクであろうが、ヘルメットを必ず装着して下さい。
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- 18)スタッフランチは大会毎に異なりますがおよそ11時30分には本部に届きます。 その際ランチをマーシャル同士や友達同士で一緒に取ろうせず、手の空いた順に素早くタイムリーに摂って下さい。
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- 19)JNCC & WEX マーシャルの役務はコーステープとコースサインの撤収までとさせて頂いております。 よってボランティアマーシャルを除き、撤収作業を行っていただけなかった場合は報酬から¥2000を差引かせていただきますが、どうぞご了承下さい。
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- 20)ボランティアマーシャルを除きコーステープとコースサインの撤収まで役務を行えない方はそれでもかまいませんが、どうぞ事前にお知らせ下さい。
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- 21)JNCC & WEX スポーツ安全保険に加入されていない方は、1週間前の申請を条件に JNCCが費用負担し3月31日まで有効のスポーツ安全保険加入を行います。
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不公平感を生じさせないコースショートカットの方法
- 1)必ず競技委員長の許可を取る。
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- 2)3〜5名で行う。 タイムリーを心掛け、時には観客に応援を乞う。(*ハンドマイクとイエローフラッグが必須!)
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- 3)スタック個所の後方に、新たに到着するライダーを到着順に整列させる。
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- 4)(上記3)と同時進行で、観客に応援を乞いながらスタックライダーをスタック順にコース復帰させる。
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- 5)スタックがクリアになったらコースショートカットを行う。
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- 6)後方待機ライダーを、復帰直後のオーバーフローに注意しながら速やかに先頭から順次送り出す
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- (☆必見!〜 10分1秒からの「不公平感が生じないコースショートカット実例」をご覧下さい!)
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負傷者への対処
- 1)JNCC & WEX では負傷者への対処に向け、専門スタッフとして救急救命士と看護士、そして大会によっては柔道整復士も備えています。
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- 2)負傷者の救出は迅速な連係プレーに懸っていると言って過言ではありません。そのために緊急連絡は絶対条件であり、先ず救急救命士に、そして必ず本部へも行って下さい。
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- 3)AED は JNCC で2台、WEX では1台用意しています。
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- 4)軽傷と判断される負傷者は速やかにコース外の安全な場所に移送して下さい。
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- 5)重傷視される負傷者は移動させる事で深刻な二次傷害を負わせる危険性があります。よってその場合はコース内であってもイエローフラッグを使って安全地帯を設け、負傷者に最良な環境を整えて下さい。
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- 6)負傷者への対応に確信が無い場合は積極的な行動は謹んで、即刻 救急救命士に緊急要請をして下さい。
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- 7)重傷者の場合 救急救命士1人では十分な対応は不可能です。その際は救急救命士の指示に従い、積極的に救急救命士サポートを行って下さい。
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- 8)頸椎損傷が疑われる負傷者のヘルメット外しを安易に行ってはなりません。 必要な際は必ず救急救命士に行わせ、サポートに徹して下さい。
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- 9)心肺停止の場合は、救急救命士が到着するまで躊躇無く心臓マッサージを行って下さい。
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- 10)負傷者への対処についてはここで全て紹介する事が不可能です。 そこで前日土曜の夕方に救急救命士講習を行いますので、極力参加するようにして下さい。(*ご自身のキャリアになります)
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- 11)別途紹介しますが、XC とエンデューロにおいて死亡率ナンバーワンは圧倒的に「熱中症」です。 熱中症は身近な病気にとらえられがちですが、XCにおいては一層の深刻視を願います。
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熱中症への対応
- 1)先ず上記リンクボタンから「熱中症を防ごう!」をご覧下さい。
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- 2)熱中症は夏場だけに限りません。湿気が高かったり急に温度が上昇したり、また登りで押しが入るような状況下は春秋でも要注意です!(*過労や二日酔い そして睡眠不足も要注意です!)
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- 3)重要な事は「熱中症に罹ったライダーは判断力を失い言動がおかしくなる」という特徴があり、熱中症ライダーに大丈夫かと声を掛けたら多くのライダーが「大丈夫!」と応えてしまうのです。
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- 4)よって熱中症に関しては疑念あるライダーを信用してはいけません。あくまでもマーシャルが判断を行い、疑念が濃いライダーには毅然と「失格宣言」を行って下さい。(*この失格宣言により問題が生じた場合その全責任はJNCCが負います。)
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- 5)熱中症の一般的傾向としては、筋肉や筋の痙攣やツリ・吐き気・めまい・失神・顔面蒼白 等ですが、その他異常な発汗、努力呼吸(*肩など上半身を駆使しての呼吸)などもみられます。
- ・・この段階で「熱中症かもしれない」とマーシャルが気づくことが重要ですが、判断がつかない場合は救急救命士にそのライダー情報を伝えて下さい。
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- 6)熱中症の中でも特に「熱射病」は非常に危険で死に直結します。 よってライダーがその特徴である意識障害「反応が鈍い」「言動がおかしい」「意識がない」の症状に陥った場合は、即刻 救急救命士を要請し到着するまでは的確な処置をして待ちましょう。
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- 7)熱中症の処置は「衣類を脱がせ風通しを良くし足を高く寝かせる」「水分を補給する(*冷えたスポーツ飲料がベター)」「首裏、脇の下、足の付け根のアイシング」等を速やかに行う事ですが、本部に熱中症処置プールが設置されている場合はそれで体ごと冷やしたり(*非常に有効)、またプールがない場合は気化熱冷却のため水を吹きかけウチワなどで風をあてるのも有効です。
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- 8)但し意識状態の悪い患者に飲料を飲ませるのは厳禁です。 咳き込みの機能が落ちているため肺に水が入り肺炎などを引き起こすことがあり、最悪の場合呼吸困難に陥ることもあります。 飲料を与えてよい意識状態の目安は「自力で開眼(*呼びかけなどをしなくても目を開けている)していて、言動が正常であり、自力で飲水できること」です。
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- 9)シーズンを問わず気温が20°を越える場合は熱中症の危険が生じます。 マーシャルは常にライダーの挙動に注意を払い早めの熱中症発見を心掛けて下さい。
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- 10)休憩を条件にレース続行を許可するか?、それとも熱中症による失格宣言を行うか?、の判断は悩むところだと思いますが、熱中症の症状が出たライダーに休憩を取らせてもレースを続行させる事には大きなリスクが生じます。よって原則的に、いかなるライダーであっても毅然と失格宣言をするようお願い致します。(*2003 ISDEブラジルでも熱中症による死亡者が出ています)
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クイ・コーステープ・パイロン How to !!
- 1)クイ一本を鋭角な頂点とするレイアウトが一番倒されやすい。その場合は頂点を2本クイとし頂点を無くす事がベスト(*二本目のクイが視覚的な障害物となり1本目をギリギリで通れなくなる)、また1本目クイ足下にパイロンを設置すればよりベター。
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- 2)下りのスピードコントロールは、フォールラインに対し曖昧ではなく必ず直角になるクランクレイアウトとする。(*直角でもコース幅があればやや下りとなるのでフォールライン直角レイアウトは鉄則とする。この方法は爺ケ岳で大きな効果を上げており怪我人が半数以下になっている実績がある。)
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- 3)コーステープは切れて当然という認識であたり、常に迅速な復旧を心掛ける。
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- 4)コーステープが切られやすい個所はテープから1m 外側に「パイロン & バー」を平行に設置して下さい。それだけで大きな抑止力が働きます。 また切れたら深刻な事態になりそうな個所は、1m 間隔で「パイロン & バー」を多重に設置して下さい。(*月山等で非常に有効!)
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- 5)スピードが乗る直線やライダーの飛出しが懸念されるコーナーの外側等は、従来のコーステープ位置にパイロンを連ね、その奥2~3m の位置にコーステープを張って下さい。この方法は簡単で非常に有効です!
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