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2014年11月2日・第8 最終戦 -./AAGP爺ケ岳・国際大会/・・・/大会案内//・公式通知/
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大会レポート/by ジャンキー稲垣・
3年越しの夢…ついに渡辺学がチャンピオンへ!
日本最大のXCシリーズJNCC、2014年もいよいよ最終戦、AAGPでは例年通りGNCCから派遣されたトップライダーが来日した。XC1Proのランキング3位J・アッシュバーンは長身の体躯を活かしたライディングが信条。また、この派遣ライダーの他に、ハスクバーナジャパンを通してオーストラリアのK・アンダーソンがAAGPへ参戦。日本のレースで一旗あげて、世界にアピールしたいという野望を秘めた来日だったが、JNCCのブランディングの広まりを如実に感じるところだ。
今回のAAGPは、675台と過去最大のエントリーが集合。またヤマハの新しいXCマシンYZ250FXデビューまもなくであったこともトピックの一つだ。トレール主体→レーサー主体へとエンデューロの時代を変えたマシンWR250F、こちらのいわば生まれ変わりとも言えるYZ250FXは、この日のために3台を試乗車として用意。また、先述したとおりアッシュバーンがこれにライド。日本勢は鈴木健二、渡辺学、内山裕太郎がデビューを飾る。加えて、AAには2011年を沸かせたヤングガン能塚智寛が参戦。モトクロスIA2に出始めて二年目で、カワサキプライベーターの中でも目下ファクトリー候補と目される超大型ライダーに成長しているだけあって、前評判も髙い。
前日には、予てより告知されていたワイルドクロスが開催された。地区別の威信を賭けたいわば選抜メンバーによるリレーといったところ。意外なことだが、JNCCのトップライダーは東京に少ないということが判明し、翌日のチャリティスーパークロス(埼玉県開催)へ参加予定があった大澤雅史がこのレースのためにかけつけるなど、事前から盛りあがった。悪天候により、棄権するチームもあったものの、つつがなく決行され、これに勝利したのは茨城・千葉・栃木の関東B。もともと東関東は鈴木健二や渡辺学を擁する鈴木一族があることから(鈴木健二は静岡在住)オフロードバイクカルチャーの髙い地域だったが、これに加えて必ず加えなければいけないレディスメンバーにAA2ライダー萩原真理子を起用することができ、これが決め手となった模様。
本戦日曜日は、朝から晴れ間が覗く天候。前日に降った雨でコンディションの悪化が予想されたが、FUN GPが始まってみれば難化と言うほどのものではなかった。FAのホールショットは高田寛。しかし、オープニングラップで有賀賢治がトップを奪う。中盤には井端ノリオがこれをかわしてトップへ上がるものの、後半井端は追い下がり再び有賀が1番手へ。見事最終戦を優勝で飾った。FBは、総合でも3位の伊藤史朗。FCも総合11位の吉田克宏が入っている。FDは有賀と同じアミーコレーシング吉崎千万が、WAでは月山からSRFレーシングの手厚いフォローがあるスズキ勢の菅原悠花、WBは数年ぶりのレース参戦となった伊藤広子、WDには常連の木村慧が1位に。
注目のCOMP GP、ホールショットは矢野和都。エルズベルグ参戦をにらんでこのAAGPからマシンを350EXC-Fから250EXCへチェンジ「セルの始動性がすごい、絶対にホールショットいける」との事前コメント通りのロケットスタート。YZ250FX勢もセルでのスタートになっており、一時言われていた「セルはキュルキュルキュル、くらいの間をおいてエンジンがかかるので、キックのほうがスタートは前に出ることができる」というノウハウも、マシンの進化によって時代が変わったようだ。
オープニングラップを飾ったのは、アッシュバーン。なんといっても圧倒的なスピードで、特にワダチを活かしたコーナリングはこれまでのAAGPゲストとも一線を画したもの。まるでコーナーで加速するかのような、まったくスピードを落とさずにレーントレースするスキルは、前日に走りをみた鈴木健二も「あれは規格外」と評している。渡辺学は1周目こそアッシュバーンについていくものの「タイトルがかかっている大事な1戦、ムリをして落としては意味が無い」とステディな走りへ移行する。3番手は、渡辺から少し離れて鈴木。矢野は鈴木に追随、執拗にプッシュを続け、中盤にはなんと鈴木より前に出ることに成功する。「あまりに乗れていない」とあとからコメントをする鈴木だが、いつもと様相が異なり矢野と鈴木の差はここから拡大する一方。いよいよ矢野が鈴木を下せる時代が来たか、と思いきや矢野はなんと最終周で痛恨のガス欠。矢野のスロットルワークは通常よりもガスを消費する傾向にあるのか、ガスの予備残量などを念入りに考えた上での給油タイミングであったにも関わらずおしい結果となってしまった。チェッカーは、アッシュバーン、渡辺、鈴木がそれぞれ単独走行でゴール。矢野のガス欠で隙をついたのは内山裕太郎で、4位へ。世界初恵ビューにして、YZ250FXが1〜4位を独占することとなった。5位には、矢野、6位にはアンダーソン。アンダーソンはクラッチを破損、リアサスペンションもほとんどスプリングのみになりながらの苦戦であった。
AA2ではスポット参戦の能塚智寛が圧勝。2位争いは激戦を松尾英之が制し、3位には復帰後まもない澤木千敏がさすがの入賞。Aクラスはここのところ絶好調の山本浩史が序盤からリードするものの、チャンピオンのかかった熊本悠太が後半に巻き返して優勝、タイトルをものにした。Bクラスには「祖父が昨日亡くなったのですが、父親からこっちに残って走ってこいと言われまして」と木村吏が優勝&チャンピオン決定。Rは和田卓也が優勝となった。
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